医療を取り巻く環境をみると, 急速な少子高齢化, 低迷する経済状況, 医療技術の進歩, 国民の意識の変化が, おおきな動きとしてある. この変化に対応するためには, 医療制度を構成する全てのシステムの転換が求められており, 医療提供体制の改革, 診療報酬体系の改革, 医療保険制度の改革が必要となっている.
我が国の医療制度の課題については, 医療提供体制をみると, 病床数が多いこと, 医療従事者が少ないこと, 平均在院日数が長いこと, 機能分化が進んでいないことから効率化 ,重点化の不足が指摘されている. また, 医療情報について比較可能で客観的な情報が不足しているため, 競争が働きにくい医療提供体制と指摘されている. さらに, 医療安全, 小児救急などの救急医療の確保など安心できる医療の確保や, IT化, 標準化, 医業経営の近代化など, 情報基盤などの近代化が課題となっている.
このため患者の視点の重視, 質が高く効率的な医療の提供, 医療の基盤整備を改革の基本的な視点として, これらの課題への取り組みを始めている
これらの取り組みの中で、在宅透析など在宅医療がどのように位置づけられているかについて概説する。
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