第49回 (社)日本透析医学会学術集会・総会において、日機装株式会社との共催でランチョンセミナ−「なぜ在宅血液透析は拡大しないのか〜普及させるためにはどうすれば良いか〜」が取り上げられました。JSHDを代表して今田 聰雄 会長代行が「日本在宅透析支援会議と在宅血液透析の普及」の演題で発表をしました。
それをお聞きになった大垣市民病院 透析センターの臨床工学技士 塚田 剛氏から、早速以下のような御意見を戴きました。要約して掲載させて頂きます。
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昨日のランチョンでお話をいろいろ聞かせていただきありがとうございました。
とても興味深く聞かせていただきました。
非常に奇抜すぎる意見かもしれませんが・・・
監視役は本人、家族以外に在宅透析患者同士でバディーを組ませてはどうですか?
自分を監視して欲しい
誰かに見守っていて欲しい
って不安や希望は絶対あると思うのです。
(もちろんネットカメラなどの遠隔監視です)
でも これをスタッフがやっていては先日の人件費的問題は解決しません。
それに 時間的自由度も低下します。
で、バディーシステムはどうかと・・・
丁度 スキューバーダイビングがそうなのです。
ある一定のスキルをマスターした客にのみ免状が与えられます。
インストラクターに連れられて客5〜10人が海底散歩を楽しむわけなのです。
インストラクターは常に安全に気を配りながら楽しませてくれますが客同士のバディーシステムを成立させた上での話です。
客同士はインストラクターに守られつつお互いを監視し合いながら海底散歩を楽しく充実したものとするわけです。
このシステムを応用して患者同士のバディーシステムを構築して監視者の目の数を増やしておくことが安全を確立するひとつの力になると思います。
そして将来はこの力こそが在宅透析を成功させるには欠かせないものに化ける可能性があるとも感じます。
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日本在宅透析支援会議から
貴重な御意見を有り難う御座います。
フランスでは数人(10名程度?)が部屋(マンションの一室)を借りて、専属の看護師さんを雇って「透析施設」と「自宅での在宅」の中間に当たる「リミッテッドケア:透析装置は全て個人専用のマイマシ−ンです」方式で、塚田さんのお考えと同じようなシステムで通常の透析を行っていると聞いています。
フランス式のこの方法は、日本でも8名の希望者がいれば今すぐにでも実行可能です。
4台の透析装置(2名で1台は経費を節約して、看護師さんの費用と部屋の借り賃を出すためです)を10畳のワンル−ムに設置して、「在宅血液透析」で管理します。
施設では看護師さん1名が10名の患者さんを看るのが一般的な基準ですから、費用の面でベテランの看護師さんは雇えないかもしれません。
装置のメインテナンスも看護師さんがやることになります。したがって、臨床工学士の方でも良いことになります。
バディーシステムの塚田方式なら、4人でも「管理施設」の採算は合います。
日本在宅透析支援会議はまさにそのような患者さんが出てきて下さるように、広報し、説得する組織です。(文責:今田聰雄)
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