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CAPD(腹膜透析)とは何ですか?
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Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis(連続携行式腹膜透析)の略で、腹膜透析の一種です。お腹の中に入れた透析液に血液中の毒素や水分を吸収(混ぜ合わせ)させて、その透析液を1日3〜4回入れ替えることによって治療します。
在宅での治療を基本として、月に1〜2回身体の調子を診るために通院します。
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腹膜に透析液を入れると、どんな感じがしますか?
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成人の場合、通常2リットルの透析液を入れます。CAPDを始めたばかりの頃は少しお腹が重たいように感じる人もいますが、すぐに慣れます。ほとんどの方が無症状です。また、夜間のみ自動でCAPDを行い(自動化腹膜透析:APD)、昼間はお腹を空にしておく方法もあります。
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CAPDのバック交換はどこで行えますか?
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清潔で、静かで、邪魔の入らない場所を確保できれば、家の中、職場、学校、車の中、旅先など、個室が作られれば(デパートのトイレでも)何処ででも交換できます。
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食事制限はありますか?
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CAPDでは、1日24時間絶えず老廃物や水分を取り出しますから、血液透析に比べ、食事制限は緩やかです。カリウムを多く含む果物や野菜、肉類は普通の人以上にでも食べられます。
しかし食事制限がないということではなく、バランスのとれた食事をとることは、健康維持のために当然です。
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| 質問者:男性 59歳 CAPD歴1年10ヶ月 |
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昨年10月(CAPD開始後1年2ヶ月)に腹膜炎を起こし2週間の入院治療の後退院、その後約2ヶ月ごとに再発を繰り返し、この6月に3回目の再発あり。
初回はともかく、2回目以降はバグ交換時の手洗い、マスク着用、部屋環境の清浄化を徹底しており、またカテーテルの出口部のケアも万全で感染の兆候も無いにも拘らず発症しています。
又何時再発するかの不安があり非常に心配です。
原因として考えられる症例がありましたら、その事例と対策処置方法についてお教え下さい。
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回答者:近畿大学附属病院 長谷川廣文先生 近畿大学堺病院 今田聰雄先生 |
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仰られていることからバッグ交換の操作上ミスは考えらませんので、以下の3つが原因となります。
1.トンネル感染:出口部がきれいでも、トンネル感染は存在します。
通常は皮下のカテ−テルに添った部分に、炎症所見(皮膚が赤くなっている、押した時に痛む)がみられますが、慢性化していると無症状の場合もあります。
腹膜炎が同一の菌で発症していることが診断の決め手になりますが、治療は、カテ−テルの入れ替えです。
2.これまでに3回の腹膜炎を合併されており、また出口部に感染症が無いものとすれば、完全に腹膜炎が治癒していない、
または腹膜炎の起炎菌が常に同じ菌であれば、腹腔内のカテーテルの先端などににバイオフィルム(菌が隠れている場所)を形成している可能性があります。
出口部、トンネル部が、一見正常に見えても、カテーテル走行部の圧迫等により排膿がみられることもありますので、注意深い観察も必要と思います。
3.腸管に憩室がある:腹膜炎が腸内細菌由来であり(調べて貰って下さい)、治しても治しても、繰り返し再発します。
注腸造影(お尻から造影剤を入れてお腹のX線写真を撮る)で大腸憩室が見つかれば、腹膜炎の治療法はないので、CAPDは中止、HDへの変更しかありません。
以上が操作ミス以外の「繰り返す腹膜炎」の原因であろうと思いますので、主治医の先生と相談をして下さい。
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| 質問者:男性 52歳 |
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カテーテルの選択をどのメーカーのものが良いか、性能、導入後のサービスなどを考慮して、教えてください。
一応、バクスターとフレゼニアスを考えてますが。
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回答者:貴友会王子病院 窪田実先生 |
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現在使われているカテーテルおよびシステムはそれぞれに特徴があります。
しかし、優劣はつけ難く、また、病院によって採用されているものも異なりますので
主治医の先生と患者様との話し合いで選択していただくのが最良と考えられます。
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| 質問者:男性 52歳 |
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導入後に自宅にて助けが必要な場合、腹膜透析を扱っている自宅近辺の病院を教えて下さい。
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回答者:貴友会王子病院 窪田実先生 |
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緊急時の対応は、かかりつけの病院でしていただくのが一般的です。
しかし、かかりつけの病院まで距離が遠くご不安でしたら、主治医の先生とお話し合いの上、
病院間でご相談の上、話を通しておいていただくのが良いと思われます。
(病院によって使用している透析液やシステムが異なりますので。)
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| 質問者:男性 47歳 CAPD歴1ヶ月半 |
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糖尿病性腎不全にて6月末CAPD施行。
入院中は透析液L135を最大で2100g注液し、排液は最大で2600gと常に注液を上回っていました。
8月退院後、排液は注液を下回るため透析液をL250を一日一回使用。
ですが排液量はなかなか増えず、500gも下回ることもあり。
排液量が増えないのはどういう原因が考えられるでしょうか?
入院中結核性胸膜炎を併発し、ドレナージを施行するも現在も貯水あり。
今現在体はむくみ始め、だるさのため社会復帰ができない状況です。
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回答者:近畿大学堺病院 今田聰雄先生 |
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テルモ社製の中性液?を使用され、入院管理中はうまくいっていたのに、退院後の在宅透析になってから排液(除水)量の減少に悩まれていらっしゃるようです。
さて、排液(除水)量減少の原因は、
@腹膜炎
A腹膜機能低下
B血液(血漿)浸透圧の上昇、あるいは(血液と透析液間の)浸透圧格差の減少
C(腹腔内)リンパ管吸収量の増加
などが考えられます。
ご質問の内容から@と、A(少なくとも5〜7年以上のCAPD経験後に発症)は否定されます。
Cは理論的なもので現時点では否定的です。
それゆえ、退院後の排液(除水)量減少はBが考えられます。
具体的には、糖尿病の管理:つまり血糖値と、食事管理:つまり摂取塩分(水分)量です。
これらにより血液浸透圧が高くなると、透析液浸透圧を高くしないと排液(除水)量が減少します。
実際にはL250を1回使用されています。
その時の(L135使用の場合と比べて)排液(除水)量は如何でしょうか。
詳細は主治医にご相談戴くとして、簡単に対策を述べさせて戴くなら、
@L135を使用なさった時と、(同じ貯液時間で)L250を使用した時の排液(除水)量を比較して下さい。
後者が多ければ、血糖値・食事(塩分量)を調べて、L250をもう1回、つまりL135を2回、L250を2回使用に変えられては如何でしょうか。
また、貯液時間の工夫も必要です。
L135は4時間以上貯液をすれば、排液量は減少、若しくはマイナスになります。
これを防ぐ方法として、自動化腹膜透析(APD:自動腹膜透析装置を使って夜間睡眠中に自動的に腹膜透析をする方法)に変更(少し訓練が必要ですがすぐ覚えられます)して、昼間の貯液を止めるなどのシステムの変更や、週に1回(私たちの施設では元気者が多いので、しっかり飲み食いをして、しっかり社会復帰をする目的で)血液透析を併用するなどの方法もあります。
なお、余計な(蛇足)ことですが、「胸水貯留」について、「CAPD横隔膜交通症」という、簡単に云えば横隔膜に欠損があるため、透析液が胸腔に移動する病気があります。
結核性胸膜炎(透析者には結核も多く、特に肺外結核が多いのが特徴で、しかも透析導入後3ヶ月以内の発症が多い)が完治していなければ、慢性疾患ですから、倦怠感や(感染症による)貧血があり「だるさ」が強いのは当然かも知れません。
早く治ることを祈ります。
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| 質問者:男性 21歳 |
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血清浸透圧について知りたいのですが、健常人の値はわかったのですが透析患者さんの血清浸透圧はおよそどのくらいなのですか?
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回答者:近畿大学堺病院 今田聰雄先生 |
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なかなかの勉強家のようで、頼もしい限りです。
浸透圧とは、半透膜 (溶媒【水です】は通すが一定の大きさ以上の溶質【水に溶ける物質】は通さない膜:透析膜や濾過膜のこと)を境にして片方に溶媒(純粋)、
もう一方に溶液(溶質が溶けた溶媒=水)を置くと、溶媒の一部が溶液の方へ浸透する。その際に生じる圧力を浸透圧といいます。
ヒトの体液では、ナトリウムが最も重要な浸透圧物質ですが、ブドウ糖や尿素窒素、あるいはカリウムも浸透圧物質です。
従って、健常人では、尿素窒素やカリウムは、体液中に少ないので無視できる数値ですが、
腎不全になると、尿素窒素やカリウムが血中に増えるので、浸透圧に関与し、高くなります。
そのため、透析中に水分を浸透圧の高い血液から、浸透圧の低い透析液中に移動させるために、
透析器に陽圧を掛けるか、透析液に陰圧を掛ける「限外濾過」という方法を用います。
透析者の浸透圧は、基準値より、尿素窒素の高い分だけ高くなっています。
次の計算式を使えば、簡単に計算できます。
血漿浸透圧=2×血漿ナトリウム値(mEq/L)+血漿ブドウ糖濃度(mg/dl)/18+血漿尿素窒素濃度(mg/dl)/2.8
この式をみて、血液浸透圧が高いと渇中枢が刺激されるので、腎不全や糖尿病の人が喉が渇いて困る理由もおわかりだと思います。
一度計算式と実測値が合うか否か試してみて下さい。
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